確率変数の独立性

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【復習】 離散型確率変数 $X, Y$ が独立であるとは、任意の実数 $a,b$ に対して \[ P(X=a, Y=b) = P(X=a)P(Y=b) \] が成り立つことである。 授業でも確認した通り、連続型確率変数の場合はこの形では扱えず、少し様子が違うので注意が必要である。 興味のある人は教科書の p.63 を読んでみよう。

【問題】 離散型確率変数 $X, Y$ が独立であるとする。 このとき、$X^2$ と $Y^2$ も独立であることを示せ。 簡単のため、証明で用いる「任意の実数 $a,b$」は $a,b > 0$ を満たすとしてよい。 一般の $a,b$ で考えにくい場合は、まず $a=b=1$ として様子を見るとよい。  

【考え方とヒント】授業でも説明したように、確率の条件部($P( \cdots )$ の中身)は同値な形に書き換えてよい。 このことを利用して「$X, Y$ が独立である」という仮定が使える形に変形する。

【解答】任意の実数 $a,b$ をとり、$a,b > 0$ を満たすとする。このとき \[ \begin{aligned} P(X^2=a, Y^2=b) &= P(X = \pm \sqrt{a}, Y= \pm \sqrt{b}) \\ &= P \left( (X, Y) = (\sqrt{a}, \sqrt{b}), (\sqrt{a}, -\sqrt{b}), (-\sqrt{a}, \sqrt{b}), (-\sqrt{a}, -\sqrt{b}) \right) \\ &= P\left( (X, Y) = (\sqrt{a}, \sqrt{b}) \right) + P\left((X, Y) = (\sqrt{a}, -\sqrt{b})\right) \\ & \qquad + P\left((X, Y) = (-\sqrt{a}, \sqrt{b})\right) + P\left((X, Y) = (-\sqrt{a}, -\sqrt{b})\right) \\ &= P(X=\sqrt{a})P(Y=\sqrt{b}) + P(X=\sqrt{a})P(Y=-\sqrt{b}) \\ & \qquad + P(X=-\sqrt{a})P(Y=\sqrt{b}) + P(X=-\sqrt{a})P(Y=-\sqrt{b}) \\ &= \Bigl\{ P(X=\sqrt{a}) + P(X=-\sqrt{a}) \Bigr\} \left\{ P(Y=\sqrt{b}) + P(Y=-\sqrt{b}) \right\} \\ &= P(X = \pm \sqrt{a}) P(Y = \pm \sqrt{b}) \\ &= P(X^2=a)P(Y^2=b) \end{aligned} \] と計算できるので、$X^2$ と $Y^2$ は独立である。

【補足】 実際には、上記の主張はずっと広いレベルで成り立っており、「独立な確率変数 $X, Y$ とボレル可測関数 $f, g$ に対して $f(X), g(Y)$ も独立である。…(*)」がいえる[参考, 12.16]。 「ボレル可測関数」は、連続関数を含む非常に広い関数のクラスである。 したがって、例えば任意の多項式 $f, g$ に対して $f(X), g(Y)$ は独立であるし、$e^{X}, \sin Y$ のようなものも独立である。 しかも、$X, Y$ が離散型である必要もない。 (*)の証明を理解するためには、測度論的な確率論を学ぶ必要がある。 証明自体はそれほど複雑ではないのだが、そこに至るまでの準備に時間がかかる。