母比率の検定
必要であれば一般電卓を使用してよい。
教科書 p.136 問題 9.2 にも目を通しておくこと。
(7/26修正)
定説の支持・不支持の問題は表現の仕方が
誤解を招きやすそうなので問題を少し変更しました。
あなたは明治のチョコスナック「きのこの山」と「たけのこの里」、どちらがお好きだろうか?
複数の調査で「きのこの山」派と「たけのこの里」派の割合はおおよそ $1:2$ であることが分かっている
(
[1],
[2],
[3])。
ただし[3]は「どちらも好き」「食べたことない」「無回答」を除いた割合で計上した($1:1.8$ くらい)。
なお、調査によっては「きのこの山」派が優勢であるものもある
[4]。
[問題]
「きのこの山」派であるA君は[1][2][3]の調査結果の真偽を確かめるべく
人を無作為抽出し「きのこの山」と「たけのこの里」どちらが好きか?を尋ねた。
その結果「きのこの山」派が
人、「たけのこの里」派が
人であることが分かった。
A君の調査は[1][2][3]の調査結果「『きのこの山』派と『たけのこの里』派の割合は $1:2$ である」を否定できるか。
有意水準
で検定せよ。
[解答]
「きのこの山」派の割合(母比率)を $p$ とする。
帰無仮説 $H_0$ と対立仮説 $H_1$ をそれぞれ次のように設定する:
標本比率を $\hat{p}$ とする。
標本サイズ は十分大きいため中心極限定理より統計量
\[ Z = \frac{\hat{p} - p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}} \]
は標準正規分布 $N(0,1)$ に従うとみなしてよく、これを用いて検定を行う。
有意水準 より、棄却域は である。
帰無仮説 $H_0$ のもとで実現値は
となり、
つまり、[1][2][3]の調査結果を否定