母分散の検定

ある機器の部品の製造会社で、過去の製品のばらつきは分散 σ2=0.462 \sigma^2 = 0.46^2 であるといわれている。 いま、製造方法を変え、無作為標本抽出を行い、次の 77 個のデータが得られた。

   2.97,2.78,2.12,2.13,2.74,2.81,2.732.97, \quad2.78, \quad2.12, \quad2.13, \quad2.74, \quad2.81, \quad2.73

製造方法を変えたことにより、ばらつきに変化が生じたと言えるか。 母集団は正規分布に従うものとして、有意水準 10%10\% で検定せよ。  

[解答]
帰無仮説 H0H_0 と対立仮説 H1H_1 をそれぞれ次のように設定する:
  H0:σ2=0.462 H_0: \sigma^2 = 0.46^2
  H1:σ20.462 H_1: \sigma^2 \neq 0.46^2
標本分散を S2S^2 として、統計量 Y=nS2σ2 Y = \frac{n S^2}{\sigma^2} が自由度 66χ2\chi^2 分布 χ62\chi^2_{6} に従うことを利用して検定を行う。
有意水準 10%10\% より、棄却域は「 y<1.6354 y <1.6354 または 12.5916<y 12.5916 < y 」である。(←余白に絵もかくこと)
帰無仮説 H0H_0 のもとで実現値は y=7×0.100040820.462=3.30947892 y = \frac{7 \times 0.10004082}{ 0.46^2 } = 3.30947892 となり、yy は棄却域に落ちていないので有意水準 10%10 \% の検定で帰無仮説 H0H_0 は棄却されない。