母平均の検定(母分散既知)

【問題】ある工場では、内容量 $500 \,\mathrm{mL}$ のペットボトル飲料を製造している。 内容量は正規分布に従うとみなしてよい。 過去の大量の製造データから、内容量の標準偏差は とみなしてよいことが分かっている。 ある日の製品から 本を無作為に抽出したところ、標本平均は であった。 この日の製品の母平均 $\mu$ は $500 \,\mathrm{mL}$ からずれているといえるか。 有意水準 で検定せよ。  

【解答】
帰無仮説 $H_0$ と対立仮説 $H_1$ をそれぞれ次のように設定する:
  $H_0: \mu = 500$
  $H_1: \mu \neq 500$
標本平均 $\overline{X}$ の標準化 \[ Z = \frac{\overline{X} - \mu}{\sigma / \sqrt{n}} \] が標準正規分布 $N(0,1)$ に従うことを利用して検定を行う。
有意水準 より、棄却域は である。(←余白に絵もかくこと)
帰無仮説 $H_0$ のもとで実現値は となり、

【Tips】 例年、帰無仮説の採否(棄却する/棄却しない)を決定したあとの解釈、本問の場合は「この日の製品の母平均は $500 \,\mathrm{mL}$ からずれているといえる」or「この日の製品の母平均は $500 \,\mathrm{mL}$ からずれているとはいえない」をややこしいと感じる学生が多いようです。 これについては、対立仮説が取れるかどうかで判断すると混乱が避けられると思います。 つまり、
  帰無仮説を棄却する → 対立仮説をとる → (対立仮説の主張)がいえる。
  帰無仮説を棄却しない → 対立仮説がとれない → (対立仮説の主張)とはいえない。
という流れです。例えば、対立仮説が $H_1:\mu \neq 10$ であれば、帰無仮説を棄却した場合は対立仮説をとることになるので「母平均が $10$ からずれているといえる」と判断し、帰無仮説を棄却しなかった場合は対立仮説がとれず「母平均が $10$ からずれているとはいえない」のように判断します。