正規母集団からサイズ の標本を抽出して次のデータを得た。
母分散 $\sigma^2$ の 信頼区間を求めよ。 区間の両端の数値が割り切れない場合は小数第2位まで答えよ(小数第3位を四捨五入せよ)。
[解答]
授業で導いたように、(母平均が未知の場合の)母分散 $\sigma^2$ に対する信頼係数 $1-\alpha$ の信頼区間は
\[ \left[ \frac{nS^2}{\chi^2_{n-1}(\alpha / 2)} , \, \frac{nS^2}{\chi^2_{n-1}(1- \alpha / 2)} \right] \]
である。ここで、$\chi^2_{n-1}(\beta)$ は $\chi^2_{n-1}$ の上側 $\beta$ 点である。
標本サイズ や、 、
標本分散の実現値 を代入して母分散の信頼区間
を得る。
[補足]
母分散の信頼区間も導出できることが望ましい。次のように行う。
$\frac{n}{\sigma^2}S^2$ が 自由度 $n-1$ のカイ2乗分布 $\chi_{n-1}^2$ に従うので
\[ P \left( \chi^2_{n-1}(1-\alpha / 2) \leq \frac{n}{\sigma^2}S^2 \leq \chi^2_{n-1}(\alpha / 2) \right) = 1 - \alpha \]
である。上の式の意味がつかめなかったら $\alpha = 0.05$ のつもりで絵も書いてみよう。
左辺のカッコの中を $\sigma^2$ について解くと
\[ \frac{nS^2}{\chi^2_{n-1}(\alpha / 2)} \leq \sigma^2 \leq \frac{nS^2}{\chi^2_{n-1}(1 - \alpha / 2)} \]
となる。この不等式から母分散 $\sigma^2$ に対する信頼係数 $1-\alpha$ の信頼区間を得る。