母平均の区間推定(母分散未知)

必要であれば一般電卓を使用してよい。
 
[ Tips ]
不偏分散 $u^2$ を求めるときは標本分散 $s^2$ を分散公式 \[ s^2 = \overline{x^2} - \bar{x}^2 \] によって求め、その後で等式 \[ u^2 = \frac{n}{n-1} s^2 \] を用いるのが簡単だと思われる。

 
正規母集団からサイズ の標本を抽出して次のデータを得た。
  
母平均 $\mu$ の 信頼区間を求めよ。
区間の両端の数値が割り切れない場合は小数第2位まで答えよ(小数第3位を四捨五入せよ)。  

[解答]
授業で導いたように、(母分散未知の場合の)母平均 $\mu$ に対する信頼係数 $1-\alpha$ の信頼区間は \[ \overline{X} - t_{n-1}(\alpha / 2) \frac{U}{\sqrt{n}} \leq \mu \leq \overline{X} + t_{n-1}(\alpha / 2) \frac{U}{\sqrt{n}} \] である(教科書の定理 8.7 にも同じ式がある)。ここで、$t_{n-1}(\beta)$ は $t_{n-1}$ の上側 $\beta$ 点である。
標本サイズ 、 実現値 を代入して母平均の 信頼区間 を得る。
 
 
[補足]
信頼区間は暗記するのではなく導出できることが望ましい。
母分散既知の場合と本質的に同じであるが導出は次のように行う。
$\frac{\overline{X} - \mu}{U / \sqrt{n}}$ が自由度 $n-1$ の $t$ 分布 $t_{n-1}$ に従うので \[ P \left( -t_{n-1}(\alpha / 2) \leq \frac{\overline{X} - \mu}{U / \sqrt{n}} \leq t_{n-1}(\alpha / 2) \right) = 1 - \alpha \] である。上の式の意味がつかめなかったら $\alpha = 0.05$ のつもりで絵も書いてみよう。
左辺のカッコの中を $\mu$ について解いた \[ \overline{X} - t_{n-1}(\alpha / 2) \frac{U}{\sqrt{n}} \leq \mu \leq \overline{X} + t_{n-1}(\alpha / 2) \frac{U}{\sqrt{n}} \] が母平均 $\mu$ に対する信頼係数 $1-\alpha$ の信頼区間である。