商集合

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[1] 集合$A$上の同値関係$R$について、$a \in A$の同値類$[a]$とは$a$と関係のある($A$の)要素全体の集合のことを言う。
  集合の言葉で書くと$[a] =$ $\{ x \in A \mid xRa \}$ である。   


[2] $\mathbb{R}$上の二項関係$R$を $aRb \iff a^2 = b^2$ と定めると、$R$は同値関係となる。このとき
  1. $3 \in \mathbb{R}$の同値類$[3]$を外延的記法で表すと$[3] =$ $\{ 3, -3 \}$ である。   
  2. $0 \in \mathbb{R}$の同値類$[0]$を外延的記法で表すと$[0] =$ $\{ 0 \}$ である。   
  3. $-\sqrt{2} \in \mathbb{R}$の同値類$[-\sqrt{2}]$を外延的記法で表すと$[-\sqrt{2}] =$ $\{ \sqrt{2}, -\sqrt{2} \}$ である。   
  4. $\mathbb{R}$の同値関係$R$による商集合は $\mathbb{R} / R =$ $\{ [x] \mid x \geqq 0 \}$ である。   


[3] $\mathbb{Z}$上の二項関係 $\equiv$ を $a \equiv b \iff \exists k \in \mathbb{Z}, a - b = 5k$ と定めると、$R$は同値関係となる。
  このことを高校では $a \equiv b \pmod{5}$と表記していた。
  1. $1 \in \mathbb{Z}$の同値類$[1]$を外延的記法で表すと$[1] =$ $\{ \ldots, -9, -4, 1, 6, 11, \dots, \}$ である。   
  2. $3 \in \mathbb{Z}$の同値類$[3]$を内包的記法で表すと$[3] =$ $\{ 5k+3 \mid k \in \mathbb{Z} \}$ である。   
  3. $\mathbb{Z}$の同値関係$\equiv$による商集合は $\mathbb{Z} / \! \! \equiv \, \, =$ $\{ [0], [1], [2], [3], [4] \}$ である。